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『ねぇ半分、君変だよ。どうしてそんなに外なんて気にするの?ここには僕と君がいる、それだけでいいじゃないか』
「半分も見てごらんよ。とても綺麗なものがいっぱいあるんだ」
『そんなものいらないよ。僕には君、君には僕があればいいじゃないか』
それでも僕は外に憧れた
だからある日 その亀裂から手を伸ばしてみた
「────だれ?」
あぁ、いつも見るだけだった君が
僕の方を 見てくれた
はじめまして
はじめまして
小さな君
『待ってよ半分!!どうして!?僕を置いていかないで、ずっと一緒だって約束したじゃないか!!』
『僕は君、君は僕』
『僕たちにはお互いしかいないんだよ!?』
『───待って!!ねぇ、待ってよ!!待って!!!』
『僕を一人(半分)にしないで──…!!!』
「じゃあ一緒にここから逃げ出そう、半分」
君の手を引いて
僕は光の中に 落ちる
そして全てを失い 始まるのは
光に憧れた愚かな悪夢の 一夜の夢
End.
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