15人が本棚に入れています
本棚に追加
[気付いているのかいないのか]
(神アス/ちょい甘)
アスレハは偶然町で出会った神風とプレゼントを交換しあい一緒にしばらく過ごしてから、日も暮れてきた頃にそのまま別れを告げた。
手を振って神風を見えなくなるまで見送ったアスレハは、神風からのプレゼントであるペンダントを一度首から外し手にとってじっくりと眺める。
中心にはめこまれた1cm位の丸い宝石はとても澄んだ鮮やかなアップルグリーンをしており、光によって縦に細い線が映り猫の瞳のようにも見える。そして太陽光の下では変わらないが、人工の光や蝋燭の光では赤く変色して見える不思議な宝石だった。
そして宝石を支える台座もまた光り輝く綺麗な銀色をしており、裏面にはなにか花の模様が細かく彫られている。台座には他にも小さな赤い宝石がいくつか埋め込まれていた。
アスレハ
「……高そうだよな、やっぱり…」
素人目からしても明らかに値段の高いものに見え、自分が渡したマフラーのお返しにこんな上等な品物を貰ってもよかったのだろうかとアスレハが悩んでいると…
ひょい、とその背後から伸びてきた何者かの手が悩むアスレハの手からペンダントを引ったくった。
スカイ
「キャーなにこれー!?すっごーい!キレーだねー!」
アスレハ
「!!!??な、な、っ…!?か、返せッ!!」
スカイ
「大丈夫大丈夫、ちゃんと返すからもうちょっと見せてー。わっ!色が変わった!?」
いつの間にか背後に立っていた黒髪の少女はアスレハから引ったくったペンダントを興味津々な眼差しで眺める。
もちろんアスレハはなんとか取り返そうとするのだが、不思議なことにその少女はいくら押しても力ずくで奪い返そうとしてもビクともせず、むしろ片腕だけでアスレハの攻撃を軽く受け流していた。
スカイ
「コレ貰ったの?いいなー、アタシも欲しいなー」
アスレハ
「ふざけんな!!お前なんかにやるもんか!!」
スカイ
「もー、君のものを取ったりしないよー。ただ同じようなのが欲しいなーって言っただけ。どこで買ったとか聞いてない?」
アスレハ
「いいから早く返せよっ!!!」
やっとペンダントを返して貰ったアスレハはそれをしっかり握りしめながらスカイを睨み付けた。
Next...
最初のコメントを投稿しよう!