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それから1時間後。厳粛。かつ静粛に入学式は進行していた。
式が執り行われている体育館には、誰1人居眠りもなく、私語もなく、張り詰めた雰囲気が漂う。
列席者の1人であるヴレドは、客観的に見ると長ったらしく、煩わしい校長の話を熱心に聞き入っていた。
何故なら、校長の訓示が終わればその次は新入生代表挨拶があり、それが終われば入学式は終了するからだ。
終わりそうで終わらない校長の話を聞くこと約10分。ヴレドとその他大勢の生徒が待望していた話の終わりを迎えた。
続けて、マイクから拡声されたアナウンスが響く。
『―――新入生代表挨拶。 新入生代表、セレナール・エレンさん。登壇してください』
「はい!」
セレナール・エレンと呼ばれた少女は澄んだソプラノボイスを体育館全体に響かせ、清々と立ち上がる。
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