Unexpected 《想定外》

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(嘘だろ……。おい……!!) ヴレドは壇上へ向かう少女が自分の真横を通り過ぎた瞬間。目を剥き、驚愕の表情を浮かべる。 その理由というのも、悠々と壇上へ向かっている少女は、先ほど出会い、暴言を吐かれた相手だったからだ。 オマケに、数秒前。横目が合ったヴレドへの嘲笑混じりの微笑がついて来た。 ヴレドは自然と、昼食の時のノアの言葉を思い出す。 『――学力も戦闘能力も桁外れの才色兼備の女子がクラスメートにいる』 ヴレドは先ほど体育館で出会った理由を思い出すと共に、心の中でメラメラとセレナール・エレンに対する敵対心を燃やしていた。 (―――そう言えばあいつ、さっきも代表挨拶の練習とか言ってやがった……!! 代表学生だからって、戦闘じゃ……ぜっっってぇぇえ負けねぇぞ……!!) 壇上へ上がり、校長と正対してスラスラと挨拶文を読み上げる少女を、ヴレドは獣のような目つきで睨み付けていた――。
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