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―――遅刻。それは入学式で1番犯してはいけないこと。
それは分かっていたハズだった。しかし少年、ヴレド・ギルネは蒸気機関車の乗り継ぎに失敗し、ハネた茶髪を振り乱しながら、時間ギリギリに校庭を駆けていた。
ミラーズ戦闘術学校は一言で言うならば、だだっ広い。
優秀な軍人を育て上げるため、国の税金を湯水の如く注ぎ込んで作られた、超一流の学校だからだ。
施設設備、教師、教育の質。どれをとっても超一流。非の打ち所がないとはこのことかと言わんばかりだった。
ヴレドは左腕の魔法仕掛けの腕時計を一瞥する。
現時刻、0857。入学式開始予定時刻、0900。残り、3分。
(まだ…!間に合う!!)
少年は脚の回転のスピードを速めながら、目の前に見えた体育館に飛び込んだ。
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