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昼休み。
あれから30分遅れでどうにか教室にたどり着いたヴレドは“腹痛”という名目で遅刻理由をごまかし、何とか事なきを得た。
ホームルームを取り仕切っていたのが、担任の教員ではなく、代理の教員だったのでそこまで追及もされずにすんだことも幸いしたのだ。
そしてヴレドは1人で、広々とした学生食堂の隅っこでボソボソと昼食をとる。
そんな時だった。
「ここ、いいか?」
1人の少年が屈託の無い笑みを浮かべ、ヴレドの目の前の席を指差しながら話しかけた。
ヴレドは若干驚いた素振りを見せたが、「ああ。いいよ」と右手で前方の椅子を差して、少年を促す。
少年は、「悪いね」とはにかみながら椅子を引いて、テーブルにつく。
ヴレドは「いいよ」と笑みで返し、食べかけのカレーライスにがっついた。
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