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少年はその名をノア・マルコーと言い、互いの話の中で、ヴレドとクラスメートだと言うことが発覚した。流石に初日から遅刻してきたヴレドは印象深く、すぐに分かったらしい。
「そう言えばさー……」
「ん? 何?」
既に食事を終えていたヴレドは、ノアの切り出しに口の周りを紙ナプキンで拭きながら反応した。
「知ってるか?俺等のクラスメートの秀才」
「秀才?」
口の周りを拭き終えたヴレドは紙ナプキンを丸めて、皿の上に置きながら問い返す。
ノアの話によると、その秀才とは、頭脳明晰でかつ戦闘能力も高いらしい。それに付け加えて女子だという。まさに才色兼備だと言うことだった。
この学校は女子の入学者が少ない。女子の枠が少ないというのも理由の1つだ。その中で男子生徒を抑え、代表学生に選出されるのだからよっぽどの能力を持つ者だろう。
「ふーん……。秀才ねぇ……」
ヴレドは頬杖をつきながらどこか釈然としない様子で、生返事を返した。
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