人斬り以蔵

2/3
前へ
/16ページ
次へ
人の歩みは、それぞれ違う。 牢屋の中で縛られ、自由のきかない腕に何か空しさを感じた。 俺にはこの腕を無しに、何が残るのか。 こんな道を歩むつもりではなかった。自分なりに筋を通してきた。 どんなに他人に人斬りと蔑まれようとも、仲間は俺を理解し、 俺を見捨てぬ物と思っていた。 俺は、その価値すら無いことに、人生の最後にわかるとは。 「時間だ、立って出ろ。」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加