ありがとう

6/13
前へ
/15ページ
次へ
その一ヶ月後、今度は足が不自由になった。 止まり木から落ちたり、飛んで手に着地しようとして失敗したりしていた。 それを見るたんびに私は文鳥から顔を背けてしまった。 確実に、どんどん年老いていってる君をみたくなかったから。 君がもう近々死ぬかもしれないという、大事なことに気付かないフリをしていた。 それからすぐに、毛繕いもまともにできなくなって、綺麗な羽や翼がバサバサになってきた。 ああ、もうすぐなのかな。 私は受け止められるのかな、となぜか他人事のように思っていた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加