0人が本棚に入れています
本棚に追加
「あー、しんどかった。」
そう言いながらタバコに火を付けると、悟は壁に寄り掛かる。
田部 悟、こいつが俺たちの二日酔いの原因である。
「まったく、てめぇが酒なんて持って来るから。結局、朝まで飲んじまったじゃねえか。」
そう言いながら、頭を押さえたのが、倉田 政治。
昨日は、コイツの家で麻雀の予定だった。結局、単なる飲み会になったが…
その横で、黙ってタバコを吸っているのが、佐山 進。普段から、あまり喋らない奴だが、今は、二日酔いで、特に静かだ。
で、俺は、町田 元。元と書いて‘はじめ’と読む。
「うるせぇ、大体、てめぇが一番ガバガバ飲んでたじゃねぇか。」
「俺は、オゴリの酒は遠慮しない主義なんだよ。」
「ちったぁ遠慮しろ、このバカっ、本当にドンブリで飲みやがって。」
「うるせぇ、頭に響く。」
怒鳴りあう悟と政治の二人に、進がこの日始めて喋る
「…お前、まだ二日酔い治ってねぇのな…」
これが、俺たちの夏休みの始まりだった。
最初のコメントを投稿しよう!