終業式の午後

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「あー、しんどかった。」 そう言いながらタバコに火を付けると、悟は壁に寄り掛かる。 田部 悟、こいつが俺たちの二日酔いの原因である。 「まったく、てめぇが酒なんて持って来るから。結局、朝まで飲んじまったじゃねえか。」 そう言いながら、頭を押さえたのが、倉田 政治。 昨日は、コイツの家で麻雀の予定だった。結局、単なる飲み会になったが… その横で、黙ってタバコを吸っているのが、佐山 進。普段から、あまり喋らない奴だが、今は、二日酔いで、特に静かだ。 で、俺は、町田 元。元と書いて‘はじめ’と読む。 「うるせぇ、大体、てめぇが一番ガバガバ飲んでたじゃねぇか。」 「俺は、オゴリの酒は遠慮しない主義なんだよ。」 「ちったぁ遠慮しろ、このバカっ、本当にドンブリで飲みやがって。」 「うるせぇ、頭に響く。」 怒鳴りあう悟と政治の二人に、進がこの日始めて喋る 「…お前、まだ二日酔い治ってねぇのな…」 これが、俺たちの夏休みの始まりだった。
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