[第1章] 朝が始まりか、始まりが朝か。

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 赤ちゃんみたいな顔をして。  ルネッサンス時代の絵画にありそうな、可愛らしくて、天使のような。  肌も白くて、すべすべで、あたしが頬を触りたいくらい。  うちのクラスの、いつも教室でエロ本を広げてる、ニキビだらけの男子とは正反対。  なんてゆうか、いい表現がないのだけれど、とにかくやばい。  髪は、サラサラで、少し長めで、色素の薄い茶色っぽい黒髪。  ち、ちょっと。 あたしが今まで女でいた理由を見失ったよ。 「キレイ…」  思わず呟いてた。  瞬間、彼(彼女と呼びたいくらいです)の瞳が薄く開く。  あたしの顔が彼の目に映る。  あたし、顔、真っ赤なんだけど。  彼は、あたしの頬にあった手をそのまま首に移し、顔をあたしの首のところにうずめた。
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