[第1章] 朝が始まりか、始まりが朝か。

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 ベッドだって、天井とカーテン付きのキングサイズ。  一人のベッドなのに、こんなでかい必要あるかなあ。  い、いや。もしかしたら。  あたしみたいに、女の子と寝るのがいつものことで。 いつも、女の子を捕まえてきて、このベッドで、毎晩…。  …なんかムショーにイラついてきた。  あたし、ハジメテなのに。  あたしのハジメテが、こいつにとっては特別でもなくいつものことで…。  そんで、そんなやつに可愛いっていわれてときめいてるんだ、あたしは。  さ、最悪…。  こいつは、もう爆睡してた。  たった今脳裏にへばりついた一単語。  逃げる?  窓の外には、それ程高くないブロック塀が。  イケる、かも。  彼に気づかれないように、そっとベッドから降りる。  改めて部屋を見渡してみる。  20畳くらいあるかなあ。  ベッドの下には、昨日身に着けていた、あたしと(多分)彼の下着と服。  急いで、尚且つ音を立てないように服を着た。    
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