854人が本棚に入れています
本棚に追加
定吉と一緒に家に帰ると、虹子とネロはまだ朝ご飯に手を付けていなかった。
どうやら待ってくれていたらしい。
「あー、ごめんね。早起き出来なかったよ………」
「早起きしないと朝ご飯冷めちゃうわよ? 定吉、もっと頑張りなさい」
苦笑いしながらネロがそう定吉に言うと、続けて虹子が。
「定吉、まだ眠たそうだな。まあ、朝ご飯でも食べれば目は覚める。早く座れ」
「うん。………にふ♪」
定吉が座ると目の前の朝ご飯に、にやけ顔になって、ずっと焼鮭を見つめている。
「ほら、アンタも座りなさいよ。………私の隣で良かったらだけど」
「何か知らないが、お断りだ」
「は、はあ!?」
「冗談だよ、全く。ネロをからかうと面白いなあもう。可愛すぎる」
「あ、色々殴りたいけど、今は朝ご飯を食べたいの。………」
無言になってフライング気味に味噌汁を啜ったネロに続いて、俺達も朝ご飯にありつく事にした。
「ネロの朝ご飯はやっぱり美味しいな。お嫁さんに欲しいくらいだよ。冗談だけど」
「ふんっ……………、意地でもお嫁さんになってあげるわよ」
「拒否」
「…………うぅぅ」
顔を赤くして、俯きながらご飯を食べつづけるネロ。
最初のコメントを投稿しよう!