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虹子が言った、ネロという人物は、俺のもう一人の幼なじみ。
これに付け足すようにまた一人幼なじみがいるのだが、ソイツはまだ寝てると思うので紹介は割愛。
「早く行かないと怒られるかな。………虹子も朝食べて行くか?」
「当然だ。どんな性格であれ、ネロの作るご飯はとても美味しいので、食べなくては損なのだ」
自信満々そうに胸を張って、目の前の俺にドヤ顔をする虹子。てかそろそろ下りろ。じゃないと落とすぞ。
「はいはい、ならまず、どいてくれ。立てないよ」
「? 乳揉み20回はどうした?」
「いや、普段からそんな事してないだろうに………」
あたかも当然だろ? みたいに自分の妄想を無理矢理に肯定させようとしてくる虹子の肩を持ち上げ、無難に身体を起こす。
「………ああ、そうだったな。………何をしてる。早く行かねば怒られるのはお前だぞ?」
「てめえが邪魔してんだろうに………」
頭をかきながら、虹子から目を逸らして、身体全体を起こして、一階の居間へと向かった。
*
「………おはよう、ネロ」
「あっ、おはよう♪ ………じゃなかった。遅いのよこの馬鹿ぁっ!」
朝の挨拶をすると、笑顔で返してくれたと思えば、いきなり怒声を浴びせてきた彼女。
名は、ネロネリア・ユーリ・ベラトニック。
父母共にイギリス人で、ハーフですらない生粋の外国の女の子。
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