幼なじみによる、俺に対する朝の起こし方について。

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いや、必要あるんです。思春期なんですから。 「………む。何よその顔………」 俺が納得いかなさそうにネロを見ていると、コチラも納得いかないと言いたげな顔をして見つめ返してきた。 「………思春期の男子には、必要な本なんだよ。………お願いだから探さないで欲しいな?」 「そ、そんな事言わないでよ。………駄目です。処分します」 どうやら見つけ次第、早急に処分されてしまうらしい俺のエロ本(780円なり)。 「………処分されたら、俺は何を代わりにすれば良いんだか」 「アンタには………え、えっちな知識はいらないのっ」 「ぶー。必要です。…………じゃあネロが見せてよ」 「…は、はあっ?」 俺が真顔で真剣そうにそう要望すると、さっきまで顔を赤く染めていたネロが、それ以上に赤くなり、目を見開いて驚く。 「おい! 私なら今すぐに見せる」 「虹子は黙ってて。………俺が見たいのは、ネロの裸なんだ」 「ちょ、ちょっと! アンタ何言ってるか分かってんの?」 「うん…。責任はとるよ?」 「…………責任?」 「うん、結婚しよう」 そして、俺は困惑するネロの両手を絡み取り、身体はネロに向かせたまま虹子の方を向いて―――。 「イエス。フォーリンラブ」 「「……………………………………」」 ただ、このギャグがやりたかった。 だが、優越感に浸りながらも、二人の美少女は目を皿にして俺を見つめている。 やばいよ。思いっきりスベました。 虹子なら笑ってくれると思ってたけど、ギャグがいまいち伝わらなかったみたい。 「…………………結婚しようなんて………冗談ぶい♪」 「…………………………(プチ)」(ネロの血管が切れる音)
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