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晴が私の気持ちを、知っているワケがない。
きっとただの幼馴染みとしか、思っていないに決まってる。
こんな迷惑な気持ちは、晴に言っちゃ駄目…。
「…ねぇ、亜実?」
「ん?」
いつの間にか、ミナは食べる事を中断していて、困った顔をしながら、私の事をじっと見ている。
躊躇いがちに、私の名前を呼び、こっちを見つめたまま言い出した。
「…私は、亜実がアイツの事好きで居続ける事を…応援する。
だって亜実は麻川の事を、一途に思って来たんだもん。
それを無駄にしてほしくない。
…でも…でも、亜実自身を傷つける事は…絶対にしないで…?」
言葉を必死に選びながら、慎重に話してくれるミナ。
ミナの優しさが、心にじわりと染み込んでいった。
「うん…。
ありがとう…」
目に涙が溜まり、流れそうになる事を必死で抑えて、ミナを見る。
ミナは、嬉しそうな顔で私を見つめていた。
だけど、その奥にはどこか優しさがあって…。
余計に涙が溢れそうになった。
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