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オレはその少女に見とれてしまった。
女の子は綺麗な銀髪が腰ぐらいまであり、瞳は淡い桜色をしていて綺麗だなぁ、服装はオレが通う高等部のセーラー服を着て、胸についてるピンバッチが同じ学年だとすぐに分かった。
桜の幹に背中をあずけ桜を眺めるその風景は、写真の様にオレの網膜に焼き付いた。
足を止めて見ていると、少女はこっちに気づきた。
うわ、どうしようかこっちから声をかけるべきなのか?
「あなたはどの季節が一番好きですか?」
「はい?」
オレは急に質問され混乱したが、少女は関係なしに話を続けた。
「私は春が一番好きです。新しいことが始まる感じがとても好きです。」
「オレには好きな季節なんてないよ。毎年同じさ、変わることも変えることも出来ないんだから。」
ちょっと、格好付け過ぎたか・・・いや、でも本当のことだし仕方ないよな。
「変わらない方がいいことだってありますよ。」
少し悲しそうな顔をしていたが、今のオレには変わらないことが辛すぎた。
「オレのはダメな方の変わらないだからさ、変えてやろうと思ってもオレにはなんの力もなかった。」
「でも、あなたは変えようとしたんですね?」
「才能がないものには結果はついて来ないんだよ・・・」
「そんなこと・・・」
少女がさらに悲しそうにしたため、オレは慌てて誤ったよ。
「悪いな・・・初対面の人にこんなことはなすなんて」
「いえ・・・気にしないでください。一つだけいいですか?」
「あぁ・・・」
少女は真っ直ぐにオレを見つめ、柔らかい表情で
「あなたが頑張ってことは無駄ではないと思います。」
と、言ってくれた。
「・・・」
それが嬉しくはあったが、オレはもう諦めていた。
変えることも変わることを願うことも・・・
そろそろ、この子との会話を終わらせ学園に向かわないとな。
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