灰色の手

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共通しているのは、報告されているのが全て手だけということだ。 そして、手を見たという者はいずれも行方不明になったり死亡してしまっているという。 たぶん、手より他のものを見たら、例外なく死んでいるのだろう。 死因はほとんどが事故死か急病。稀に自殺というのもあるが、着目すべきは一件だけ報告のある「絞殺」というもの。 首の周りに真っ赤な手の跡があり、犯人はいまだ知れないということだ。 この件をよく考察してみると…実は手を見て死んだ者は全て絞殺であった可能性がある。 親族が原因不明の絞殺死体にされたとなったら、誰だって事故だの急病だっただの言って誤魔化したくなるのが人情ではないだろうか?
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