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―場所は1組。
まだそんなに馴染めていない担任の先生が、ホームルーム時に皆を見回しながら切り出した。
先「今年の体育祭応援団を決めたいんだけど、立候補者は手を挙げてねー。」
応援団に関しては例年立候補している。
そのため、俺と佐絵と沙谷加は真っ先に手を挙げた。
英哉はというと、頑張って勝てなかったら泣いちゃうから嫌というよくわからない理由で、毎回立候補しない。
ちなみに今の1組の担任は野呂ひろみという少しぽっちゃりした20代後半の女性。
あるのか無いのかわからない愛想と、大きめの声が特徴的な先生だ。
「今年もやるのね、他はー?」
担任の言葉を受け流しながら、生徒は各々小さな声で会話をしていた。
沙「俊樹、今年団長やるの?」
俊「立候補はしようかなって思ってるよ。」
そんな会話の中、現段階では他に5人応援団立候補者が出て、1組からは8人の応援団員が選出された。
佐「去年は副団長だったもんね。 俊樹有名人だし、投票になったら選ばれるんじゃない?」
俊「いつから有名になったんだ。笑 選ばれるのは嬉しいけども。」
有名になったつもりはまるでないが、やる気に満ち溢れていたことは確かであった。
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