334人が本棚に入れています
本棚に追加
―放課後、体育館。
予定通り、1~3年の応援団立候補者が集まっていた。
壇上では体育会系専門で配属されたような、筋肉質の先生がマイクを使わず、自慢の大声で皆に向かって話している。
先「とりあえず色分けをしたいと思う! 各クラスの代表者は前に来なさい。」
中川高校の色分けは毎年赤と白の2色。
それを先生が作った予算の低そうなくじ引きで決めている。
赤が強いなど、体育祭にありがちなジンクスは無く、毎年優勝する色は平等に異なっている。
沙「俊樹行ってきな!」
沙谷加に肩を叩かれながら言われ、満更でもなく立ち上がった。
俊「おっけー! 赤引いてくるわ!」
壇上に上がった時、2組からは健一も代表者として前に出てきた。
―3年1組から引いてけ!
近くにいるのに相変わらず大きな声で促される。
俊「よし…」
赤を引いてくると言ったプレッシャーから、あまり感じなくてもいい緊張感が自分を襲っていた。
心拍数を少しだけあげながら、ゆっくりとくじ引きに手を入れた。
最初のコメントを投稿しよう!