進級

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クラス毎にまとまって名前の書かれた掲示板についたとき、俺は自分の名前を探すのに時間はかからなかった。 俊「また1組かよ。」 中学2年生の時から1組が続いていたため、今回もまさかと思いながら1組の欄を確認すると、すぐに自分の名前が記載されていたからだ。 佐「5年連続かぁ、ギネス挑戦レベルだね笑」 ほんとだよ... 小さく声を漏らしながら1組の名簿を流しながら見ていると、よく知る人の名前をいくつか見つけることができた。 俊「沙也加と英哉もいるんだな。」 佐「そうなの! 受験シーズン、下手すると動物園状態だよ笑」 俺は佐絵の言葉に笑いながら、健一の目線に注目した。 俊「健一のとこは、知ってる人いた?」 健「いるね。 巡り合わせだ、今年こそはきっと...」 佐絵は、何言ってんの?と本気で言ってみせた後、何か閃いたかのように、健一のいる2組の名簿に目を移した。 佐「ははーん、そゆことね。」 俊「その反応は、優子と一緒か?」 健一の意中の人、その人の名前も確かに2組の名簿の中に確認した。 健「いや...敬輔がいるからだよ…!」 ここまできて言い訳をする健一を少しだけかわいいと思えた。少しだけ...。 佐「ま、頑張るんだよ!」 そう言いながら佐絵は、まるで男友達のように健一の肩を2回叩いてから、笑顔で校内へ歩いて行った。 健「わーかってるよ笑」 その光景はまさに青春そのものであった。 なにより皆、楽しい1年を過ごせそうだ。
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