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学校で友達にこのメールを見せた。
ソイツは得意げに【死神】の部分に着目した。
「ん……こいつは【タロット】かな?」
「タロット?」
「そう、天川さんのは【女帝】だったんだろ?それならタロットのアルカナだね」
聞くと、タロットは西洋のトランプみたいなもので【大アルカナ】と【小アルカナ】があるらしい。
俺のは【死神】で序数はフォーティーンス。つまり14番目。
優菜はサードの【女帝】。つまり3番目だ。
他にも残り20のアルカナがあって、多分、その【指令】を受けたのは俺達を含めて22人。
「ありがとな、物好き」
「いやいや、気にするな。これくらい任せとけ」
ソイツは眼鏡を人差し指で押し上げた。
俺はすぐさま、優菜の教室へ向かった。
優菜は読書をしている。
明日は雪が降るな。なんて冗談を言っている時間は無く、優菜を呼んだ。
「何?どうかした?」
「ああ、今朝のメールの【死神】と【女帝】の意味。解ったぞ」
「へぇ、で?なんだったの?」
「あれはタロットと呼ばれるカードらしい。他には20個の種類があって、多分、指令を受けたのは20人居ると思うんだ」
「成程、ありがとね」
そう言って、優菜は本から栞を抜き、再び読書を始める。
あの本は何か判らないが、それ程に熱中するなにかって?
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