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高校の入学式。
好きな幼馴染のお兄ちゃんがいるから、
という動機で自分の学力の2ランクぐらい上の高校を選んだ。
本当に必死に勉強して、
合格発表で番号があったときは
本気で嬉しかった。
お兄ちゃんと一緒の学校というのもだけど、
初めて自分で決めてやり遂げた気がしたから。
そんな思い入れいっぱいの私は
入学式前日、楽しみすぎてなかなか寝付けず
見事に寝坊。
「ぬぁぁああぁぁっ!」
もちろん、楽しみだった日だけあり
目覚めはばっちり!
でも、時計の針は
ーーーーー7:20
下の階で
「あら、まだ起きてなかったの~?」
なんて呑気なお母さんの声が聞こえる。
ーー起こしてよ~
7時50分の電車には乗らないと
遅刻が確定する。
駅まではチャリをとばせば
15分でつく。
だから…
おめかししていこうと思ったのも断念して、
ーー今日はあんまりお兄ちゃんに会わないようにしよう。
と心に決める。
そして、きっかり15分で用意を終わらせ
家を出る。
「いってきまぁぁ~すっ!」
ーガチャ
「っっっっ!!!!」
「おはよ。」
眩しいぐらいの笑顔で
挨拶をしてくる、彼。
この人が正真正銘、私の好きな人、だ。
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