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ートンッ
背中に感じる冷たい感触。
ーーーえ?
驚く間もなく視界がぼやける。
「んぅっ…」
唇に柔らかい感触、
目の前にぼやけていても
感じられる整っている顔。
そこで何が自分に起こっているのか気付く。
「…やっ…んっ…」
思いっきり力を入れ
彼の胸を押す。
それはビクともしなくて
息苦しくなった私は
酸素を求めて少しだけ口を開く。
待ってましたとばかりに
口の中に入ってくる、それ。
ーーびくんっ
「んんっ…ふぁっ…」
私の口の中を荒らす
それは簡単に私の呼吸を乱していく。
初めての感覚に
腰が抜けそうになる。
ーーーググッ
彼の手がなんとも自然に
私が倒れないようにと腰にまわる。
とても長く感じたそれの後、
やっとのことで開放された私は
自分1人では立っていられず
彼の腕の中。
「…は、はなして…」
まだ力の入らない手で彼の胸を押し返す。
ークスッ
そんな笑い声が聞こえた後、
「そんなに、よかった?」
最低な言葉が囁かれた。
ーーカァァァッ
顔が一気に熱くなるのを感じる。
「……ッッ!」
その、なんとも言えない悔しさから顔を上げると
思っていたよりも近くにある彼の意地悪そうに微笑む顔。
「は、はなしてってば!」
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