いち。

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「あれ?依頼人?」 不意に聞こえたその声に、私は驚くよりもまず、ときめいてしまった。 …まるで、春風のように優しく爽やかに鼓膜をくすぐるその声は、高くも低くもないのに何故か耳に残って惹きつける。 「…あぁ、僕やらかした感じ?」 また、爽やかに響くその声。 私は声がした階段の上に視線を向け、そして人生で一番目を見開いた。 ……な、に…この…眩しさ!! 柔らかく波打つハニーブラウンの髪、同じくハニーブラウンの瞳。 これでもか通った鼻筋に、口角のあがった柔らかそうな唇……って変態ぽい表現だけど、でも…… ……男の人の唇見て色っぽいって思ったの初めてかも…。 先に会った二人よりもっとずっと、有り得ないくらいの超ド美形が、階段の途中の壁から… 体を半分出して立っていた。 「…………えぇえぇぇっ?!」 .
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