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……ど、どーなってんの?!
体の半分が壁にめり込んで…
あ、めり込んでは…ない?
まるで、そこに壁なんか存在しないみたいに自然に立ってる。
…けど、ありますから!壁!
余りに美しい男の子と、その現実離れした登場の仕方に、私の頭は酷く混乱していた。
けど、男の子の方は私の叫び声にも動じる事なく、その唇をゆっくりと開いた。
「ついに見つかっちゃったね、柏原 凪さん。」
「……え………え?」
人間離れした美しい容姿の彼は、ゆっくりと壁から歩み出た。
壁には裂け目どころかヒビ一つなく、人が出入りできる状態じゃない。
でも、彼は確かにそこから出てきた。
……今、私の目の前で。
それは確かに驚異的な事だったけど、彼はそれが何でもない事のようにニッコリと笑い、それと共にその甘い声に名前を呼ばれて、私はただ狼狽えた。
「私の名前…なんで…」
「…俺たちを嗅ぎ回ってる奴の事は調べるに決まってんだろ?」
私の背後から、獣の唸り声のような低い声がして、私は思わず首をすくめた。
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