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私が思わずブルっと身震いすると同時に、両肩を掴んでいた黒髪の麗牙が、その手を私の体の前に回して緩く交差した。
「…どのみち、このまま帰す訳にはいかないのだから、少し頂いてもいいでしょう?
…処理は頼みますよ、朔夜(サクヤ)」
麗牙は言いながら身を屈めて、背後から私の首筋に顔を寄せた。
…綺麗な黒髪がサラリと私の首筋を撫でた時、なんだか解らない恐怖が体の底から湧き上がった。
…な、に?
なんか…怖い…
そう感じても、動く事もできず…
けれど、麗牙の吐き出す息を耳元に感じた時、
…突然、辺りの空気が変わった。
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