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「麗牙。」
一言、朔夜が名前を呼んだ。
…それはさっきまでのウットリするような声ではなく、聞く者を凍りつかせる、地を這うような低く深い声。
その声で名前を呼ばれた麗牙は、身をすくめて更に深く頭を下げた。
「忘れたか?契約を。勝手な振る舞いは己を滅ぼすぞ?」
「はっ!
申し訳ありませんでした!」
ソロソロと麗牙を見てみると、大きな体を小さくして、少し震えてるようだった。
「…一人の勝手が我らの滅亡に繋がる。
…罰が必要…か?」
背後からコツ…と、階段を降りる気配がして、私はとっさに階段の中央に立って両手を広げて…
…朔夜を通せんぼしてしまった。
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