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「…君は僕たち便利屋を探ってたよね?怪しい同好会だと思ったんでしょ?
…だったら、中から好きなだけ調べたらいい。」
「朔夜!」
今まで黙っていた獅狼が突然、咎めるような声を出した。
…けど、朔夜のひと睨みでまたすぐ黙り込む事になった。
「部長はボ・ク。だよね?獅狼。」
朔夜はそうして高圧的な態度をとったかと思うと、今度は優雅に組んだ足の上にひじをたて、そこに顎を乗せて上目遣いをしてきた。
…例えそれが計算でも、これだけの美形がやるならときめかない人間はいないはず。
…私もまんまとその瞳に引き込まれた。
「僕たちはやましい事してないのが解って貰えるし、君は身の安全が保証される。
…悪くない話でしょ?」
「………え?…身の安全て……」
……朔夜の綺麗な瞳に見惚れて、危うく聞き逃すところだった。
私、危険に晒されてるって事?!
「色々見てしまった君の、身の安全。」
引きつった顔で聞き返した私に、朔夜は口角を片方あげて、何か企んだような笑顔を見せた。
そこで私は、改めて自分の状況をかえりみた。
…最初に昇降口で感じた、麗牙の敵意剥き出しの視線。
獅狼の背後からの威圧感。
そして朔夜の…殺気。
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