いち。

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メルヘンな空間や朔夜の爽やかさに、うっかり忘れるとこだった。 …この人たちが人間なのかも怪しい事を。 「い…色々見たって…そっちから披露してくれたんだよね…?」 私はもっともな言い分を、恐る恐る口にした。 すると朔夜は、 目をスッと細めて、楽しそうにイタズラな笑みを深めた。 「麗牙や獅狼は僕たちを嗅ぎ回るうるさいハエを、誘い込んで処分するつもりだったらしいけどね。」 …私、ハエですか…。 「僕はタイミング悪く部室から出てきたとこ見られちゃっただけだし。 …ちなみに僕は君の事をどうにかする気はなかったんだからね? こうなったのは身から出た錆。自分を恨んでね?」 …私の責任て訳ですか…。 「…勝手に君を処分しようとした麗牙と獅狼には、後で罰を受けて貰うけど。」 朔夜はフッと笑みを消して、私の両隣にいる二人を睨みつけた。 視界の端で、二人が身をすくませたのがわかる。 ……この二人がビクつくような罰って、一体どんな…… 想像するのも恐ろしいそれに、私はまた考えるより先に余計な事を口走っていた。 「あの…私は結局『処分』されてないし、許してあげるって訳にいかないの…?」 その途端、朔夜は驚いたような顔をして、それからニッコリ笑顔を浮かべた。 「じゃあ、入部する?」 .
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