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私が見上げていた場所に着いた時には、男はまだ同じ場所に立って
私を待ち構えていた。
でも、私が一歩近づけば、男も一歩遠ざかる。
「……って、ちょっと!何それ?!」
遠ざかる男に、突っ込まずにはいられない。
…だって、一歩が半端ないんだもの!
ゆっくり歩いてるようにしか見えないのに、男が足を出してそれが下につく前に、もう数m進んでる。
…私の全速力よりずっと速い!
昇降口の吹き抜け部分の廊下から職員室前へ、そこから更に先の特別棟へ、男はあっという間に遠ざかって行った。
…あの調子で進まれたら、逆に後ろから来ちゃうんじゃないの?!
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