3:悪夢をみせて

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孝はベッドに寝転がり、ネクタイを外して放り投げる。 その様子を、少女は部屋の隅に立って、眺めていた。 身動き一つしない少女の顔は、ますます青ざめ、今にも倒れてしまいそうなほどだ。 孝に呼ばれても、身体をびくりと震わせただけで、それ以上動けそうにない。 しかし孝が渋々立ち上がって、乱暴に少女の腕を引くと、否応無しにベッドに倒れこんでしまう。 それから、つぎつぎとブラウスのボタンを外されても、彼女は何も言わず、顔を背けていた。 部屋の全てが灰色だった。 ただ、ベランダから覗く花の赤だけが色を保っている。 真理子は2人から目を離さなかった。 握り締めた手からは赤い液体が零れ落ち、床に小さな染みを作った。
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