3:悪夢をみせて

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この日は、学校に着いて授業が始まっても、身体は重いままで。 蒸し暑い中で体育をするなんて考えられなかった真理子は、体がダルイと訴えて保健室に逃げ込んだ。 「また来たの?」 保健室の先生には苦笑いされたけれど、追い返されはしなかった。 がらんとした部屋の中で、一番奥のベッドに横になる。 聞こえてくるのは、時々ボールペンが紙を引っかく音と、加湿器の立てるコポコポという音ばかり。 体育館で授業は行われているので、騒ぎ声は聞こえてこなかった。
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