3:悪夢をみせて

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しばらく携帯電話画面に目を走らせていると、突然すぐ近くで何かおかしな音がした。 金属と金属を、細かくすり合わせているような、耳障りな音。 そして、ベッドが軋む音と共に、それは止んだ。 その時になってようやく気がついたのである。 隣のベッドに誰か寝ていることに。 真理子がベッドに入ってすぐにカーテンを引かれたから気がつかなかったが、どうやら彼女が来る前から、すでに先客がいたらしい。 そちらの方からは、何秒かカチカチと音がしていたが、パチンという音を最後に、また静けさが戻ってきた。
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