3:悪夢をみせて

13/60
前へ
/278ページ
次へ
すると、それを待っていたかのように隣のカーテンが開く音がして、 「あら、起き上がって大丈夫なの?」 という先生の声が響いた。 相手はなにやら言ったようだったが、声は小さくくぐもっていて、何を言っているかは分からない。 しかし、どうやら女性のもののようだ。 「ちょっと、もう一度熱はかってみて」 カチャカチャと器具が触れ合う音やら、体温計の鳴る音やらが交じり合う中、真理子はじっと息を潜めていた。 「さっきよりも、熱上がってるわね。今日はもう帰ったほうがいいわ。 家、近いの?家に連絡する?」
/278ページ

最初のコメントを投稿しよう!

578人が本棚に入れています
本棚に追加