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相手は小さく大丈夫だと答えると、先生は何か書き出したようだった。
「学年とクラスは?えーと……1年B組」
真理子の心臓が、再び激しく鳴り出した。
名前を聞きたいような、聞きたくないような感覚に陥る。
ただ、隣に寝ていただけの相手なのに。
それだけでは終わらない、なにか予感のようなものを感じていたのかもしれない。
幸か不幸か、生徒の声は聞こえなかったけれども、先生がいちいち繰り返す為に、真理子の耳にもはっきり聞こえてくる。
「名前が……山村……瑞穂ね」
拒否するように強く目を閉じていたけれど、そんなのことにはお構い無しに、その名前は一瞬のうちに真理子の頭に焼きついたのだった。
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