3:悪夢をみせて

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「なんか、あったんだ」 「うん……」 「そっか」 八木はそれ以上何も言わずに、冷蔵庫からプチショコラを取り出して、食べ始めた。 「食べる?」 差し出された赤い箱を見たときは、さすがに胸焼けがしそうになったけれど、手は勝手に動いていて。 チョコレートを摘み取ると、口の中に押し込んでいた。 「気に入ったんだね」 ニヤリと笑う八木の言葉を否定することなんて出来なかった。 真理子が、というよりも、体がプチショコラを求めているような、そんな気分だった。
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