1:プロローグ

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少女はしばらく動かなかった。 眠っている少女は確かに呼吸を繰り返しているのに、包丁を握り締めた少女の胸は空気を送り込んでいる様子はない。 まるで死人のように青ざめた顔は、やはり無表情のままだ。 突然、少女は包丁を振り上げた。 そして、それが当然の流れだとでもいうように、すみやかに振り下ろした。 甲高い悲鳴が響き渡る。 目の前が真っ赤に染まる。 そして、暗闇に戻った。
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