3:悪夢をみせて

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「でも……」 「いいんだって、私は孝を信じてるし」 『信じる』という言葉が何を意味しているのか、自分でも分からぬ間に、真理子はそう言っていた。 思わず動揺してしまったのだろうか。 一瞬、どうしようもなく手が震えて、握っていた携帯電話が滑り落ちた。 「あ」 真理子が拾い上げると、気付かずに角を曲がりかけていた八木が振り返った。
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