3:悪夢をみせて

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「大丈夫?」 「うん」 真理子は小走りに追いついて、角を曲がる。 そしてふと思った。 自分は今、八木に、どちらに曲がるか指示しただろうか? 「あ、お月様が出てるよ。星なんかひとつも見えないけど」 「そ、そうだね」 突然八木が足を止めて言ったものだから、真理子も慌てて足を止める。 明るい声とは裏腹に、彼の目はちっとも笑っていなかった。
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