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信号が青に変わり、真理子は孝を追って歩き出す。
しかし慌てることはなかった。
孝が進む道は、真理子の知っている道だったのだから、迷う心配はなかったのだ。
しばらく歩いて、彼が姿を消したのはマンションだった。
真理子は、孝がエレベーターに入っていくのを見送ってからも、エントランスに立ち尽くしていた。
大理石の壁には、ポストがずらりと並んでいる。
それを一つひとつ眺めていると、一番端に『山村瑞穂』の名があった。
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