3:悪夢をみせて

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ゆっくりと足を進めて行くと、ベッドの上の毛布が膨らんでいるのが分かった。 その隙間から、艶やかな黒髪が流れ落ちているのも、見える。 真理子は、さらに足を進めた。 すると、遠くの方で水音がし始めた。 そして、物がぶつかるような音とともに、柑橘系の匂いが広がってくる。 彼女は胸いっぱいに、その爽やかな香りを吸い込んだ。 目の前では、少女が静かに目を閉じて、ベッドに横たわっていた。
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