3:悪夢をみせて

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真理子はベッドにあった柔らかなクッションを持ち上げると、それを少女の顔に近づけた。 少女は身動き一つしない。 寝息さえ、ほとんど聞こえない。 その白いクッションは、ふわりと少女の顔に乗せられた。 そして次の瞬間、少女の顔が見えなくなるほど強く、押し当てられたのである。 少女が、かすかに身体を震わせたような気がした。 しかし真理子は、手の力を緩めることはなかった。
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