3:悪夢をみせて

39/60
前へ
/278ページ
次へ
さらに力を込めようと、右足を動かしたとき、棚に当たってしまったのだろう。 その上に飾られていた写真たてが、大きく揺らいだかと思うと、止める間も無く落下していった。 真理子は、まるでスローモーションでも見ているかのような気分で、ゆっくりと落ちていくそれを見つめていた。 写真たては、床に当たったと同時にガラスが砕け、大きな音をたてた。 思わず目を閉じる。 心臓が、ものすごい速さで鳴った。
/278ページ

最初のコメントを投稿しよう!

578人が本棚に入れています
本棚に追加