3:悪夢をみせて

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真理子が重たい瞼を持ち上げた時、そこは暗闇だった。 遠くで扉が閉じたような音を聞いた気がする。 真理子は、ここがどこなのか、分からなかった。 目の前に広がるのは、白い天井。 窓から流れ込んだ街灯の光が、ぼんやりと影を作って揺らしている。 深く息を吐き出して手を顔に近づけると、何も持ってはいなかった。
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