3:悪夢をみせて

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翌日、真理子が登校すると教室は騒然としていた。 女子はお互いに顔を寄せ合い、声を潜めて囁き合っている。 男子も興奮した様子で、何やら話し合っているようだ。 不思議に思いながらも、真理子は自分の席につく。 そして、熱い視線を送ってくる奈美に首を傾げてみせた。 「おはよう。また、なんかあったの?」 ほとんど無意識に出た言葉だった。 ほんの、軽い会話のつもりだったのだ。 しかし奈美は、目を輝かせて意味ありげに言葉尻を強調しながら言った。 「あったんだよ。『また』。」
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