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続けてもう一つ、チョコレートを口に含む。
今度は、いつもの甘ったるい味がした。
味覚も戻ってきたようだ。
呼吸も落ち着いてきたところで、一安心していると、隣で奈美が笑っていた。
「なになに、どうしたの?
あんた、いつからそんなにチョコレート好きになったわけ?」
カラカラと明るく笑う奈美の唇は、例によってグロスがべったりと塗られている。
そのラメを含んだピンク色が、蛍光灯の下で汚らしくギラギラと光った。
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