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「お金持ちなの?
確かに、お菓子買いだめ出来るくらいだから、そうなんじゃないかとは思ってたけど」
真理子が言うと、奈美は目を見開いた。
そして、まるで自分のことでも自慢するような調子で話し始めたのである。
「知らないの?八木のお父さんって、お医者さんなんだよ。
だから、きっとお金持ちなんでしょ。
前も、何かの病気になって入院した時、自分の家の病院に入院してたんだって。
しかも、個室!」
はあっと息を吐き出した奈美の瞳は、まるで恋でもしてるんじゃないかっていうくらいに熱っぽい。
しかし、その潤んだ瞳の下の唇は、恋とは無縁のことを語っている。
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