3:悪夢をみせて

57/60
前へ
/278ページ
次へ
最近連絡してこなかった孝が、突然またメールを寄こしてきた。 もともと気まぐれなところがある男だから、それだけだったら不思議ではないかもしれない。 しかし、一年生の女子が行方不明になった途端のことだ。 あまりにもタイミングが良すぎるのではないだろうか。 真理子はゆっくりと呼吸を整えた。 あの夢が関係しているわけはない。 ただの夢だ。 そう思ってはみるものの、あまりに生々しい映像だっただけに、心が揺れる。 何しろ、今でもはっきり思い出せるのだ。 クッションを少女の顔に押し付けた、あの感触を。
/278ページ

最初のコメントを投稿しよう!

578人が本棚に入れています
本棚に追加