3:悪夢をみせて

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行方不明とは言っても、ただの家出かもしれない。 それに一年生の女子というだけで、名前も分かっていないのだ。 山村瑞穂であるという確証はなにもない。 真理子は、いつの間にか両手を強く握り締めていたことに気がついて、慌てて離した。 思った以上に力が入りすぎていたのだろう。 指が赤と白のまだらに染まっている。 それを揉みほぐしながら、肩の力を抜こうと努めた。
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